トロイメライ

小学生の時親父が死んだ。



母親は帰ってこない日が多くなった。



親父の友達、想の家でよく飯を食わしてもらってた。



それでも家に帰ると一人が多くて。



アパートの隣の家に住んでた女の子がいた。同じ小学校に通ってた子。



昼間はその子も一人が多くて一緒に過ごす時間は長かった。



きっと俺は幼いながらに好きだったんだと思う。



中学に上がって喧嘩もするようになった。



歪んでく俺に周りの人たちがどんどん離れて行った。



なのに何一つ変わらない態度で接してくれて、たまに料理作ってくれたりして。



好きだった。



多分俺の初恋。



でも突然いなくなったんだ。



支えがいなくなった俺は無駄に喧嘩したり反抗したり、多分全部忘れたかったんだと思う。