「そういえば、今度うちの好きなドラマの続編の映画が公開されるんだけど、一緒に見に行かない?」
「おっ、行くいくー!」

そんな会話をしながら見知らぬカップルが手をつないで歩いていた。

私、西間木奏。17歳陸上部で、一応エースをやってる。

奏(手をつないであるいて…何が楽しいんだろうなぁ。)

私は生まれてこの方、恋と言うものをしたことがない。 彼氏いない歴=年齢。 

私は人と会話したり、仲良く遊んだりすることが苦手、世に言うコミュ障なのだ。 人とあわせることも出来なければ、言いたいこともビシッといえない、ダメな人間だ。

奏(あ…おなかすいたな… 軽く何か買っていこうかな。)

そう思って私はコンビニに入った。

ピンポーン 店員「いらっしゃいませー、からあげあげたてでーす」

優心「お。奏じゃん。 やっほーっ」

…一瞬嫌なものに出くわしたと思ってしまった…。

奏「あぁ、ども…」

とりあえず私は適当に返事した。

彼は神埼優心。同じ陸上部、エースだ。少しちゃらちゃらしてる。顔もイケメンで、男子からも女子からもモテる。

奏(私はそのちゃらちゃらした感じが嫌いだなぁ…こいつメッチャモテるのに彼女はいないんだよな…まぁどうでもいいけど…。)

優心「ところで、何買いに来たの?」

奏「おなかすいたから軽く食べ物をと思って。」

優心「じゃあ、一緒におにぎり買おうぜ! んで、そこの公園で一緒に食おう」

奏「…はぃ?」

優心「拒否権なしねー! 強制だぜっ」

といいながら優心は、鮭のおにぎりを渡しつつ思いっきりドヤ顔をしてきた。なんだこいつ。
私は渋々、一緒に食べることにした…。