パーフェクトフィアンセ


ドン
ガン
バキッ

代り映えがしない。

、ということでもう一度。

Don!!
Gan!!
Bakiltu!!

なかなか様になっている。

次あったらハングル文字にしよう。

そんなことを思いながらクラウンはデジャヴに頭を悩ませた。


床には伸びたホセ。

びっくりして転げ落ちたらしい。

下のじゅうたんで命拾いしたよね…

ホセ、と軽く揺さぶると呻きながらもなんとか起き上がった。

「なんで、俺…」

私が運んだ、というとホセはごめん、と言いつつ小言を漏らす。

「俺なんてほっとけよ。重かったろ…?」

いたわるようにそっと私の腕を撫でて、ハッとしたように立ち上がり、ホセはあわただしく部屋を出て行った。

「クラウン、絶対ここから出るな」

そういって。

…出れないんだけど…

白雪姫より塔の上のラプンツェルに近い境遇に置いていることを一時的に記憶が飛んで忘れたらしい。

はぁ、と息を吐いて私は今しがたホセが触れた腕を撫でた。

優しく、いたわるように。

あんなにやさしいんだから、誘拐犯だなんてとてもとても。

よるらしき時間帰ってきたホセにそう言うと、神妙な顔をして可哀想にと泣きだした。

ホセ曰く、「すとっくろるむ(?)症候群」とやらに私はかかっているらしい。

主に誘拐の被害者などが犯人に依存するらしいんだけど…

う~ん。

ちょっと無理がある。

その日ホセは不安だろと言って私が寝るまでそばにいてくれた。

優しい子守歌と一緒に。

ホセも寝ようというと大丈夫だといってずっとそばにいてくれる。

私が起きるともうホセはいなくて、暖かいホットミルクとはちみつ、柔らかくておいしいパンがおいていった。

全て一口ずつ食べてあって、メモには「毒見したから安心してくれ」とあった。



ついでに、次にホセは心理療法が書かれた本を山ほど持ってきて私に見せて、またウルウルしていた。

こんどは私は知らない間に自分の暗示にかかっていたらしい。

う~ん。

やっぱりかなり無理がある。