「ついた」

端的に言ったホセはそこで私を降ろす。

天蓋のついたベッド。

さらさらと流れ出す音楽は神秘的だった。

念のため、そう言ってホセは私の両手に何周か包帯を巻く。

そうしてわたしを抱きかかえベッドに連れていった。

かちゃかちゃ音を立ててホセはそれを取り出す。

見た瞬間私はさっと血の気が引いた。

必死に抵抗しても簡単に押さえつけられてひどく優しい手つきで手錠をかけられる。

__何で…?

泣きそうになりながら苦し気にホセを見上げると片方がベッドにつながれた手錠が空虚な音を響かせた。

「お前がこの部屋から出ないようにするための措置だ。悪く思うな」

そういってホセは首をすくめて私の近くにどこからか取り出したジュースを置く。

「…ああ、手が使いないんだったな」

ホセはジュースを持ち上げるとストローを入れた。

私はストローを口に含まされ、ホセはそのままカップを持ち続ける。

「…飲んでおけ…次帰ってくるの昼だから」

少なくともお昼まではこのままらしい。

だんだん人ごとに思えてきて私はコクコク喉を鳴らしながらジュースを飲む。

トン、と音を立ててカップを置いたホセは一度私の頭を撫でた後、名残惜しそうに出て行った。


どうやら私は、かなり本気で監禁されてしまうようです…