「どうなってるんですか?」
「俺に聞くな!!!」
「なんか変なスイッチ入ったみたいですね」
「んだと!!!」
しょうがないですよ、と微笑むアクアをよそに、ウィングはNooooo!!とうるさく叫んでいた。
星空輝く空の下、二人は仲良く手をつながざるを得なくなっていた。
正確には風が強すぎてつないでいないと吹き飛ばされる。
もちろん、アクアの記憶の中にはこんな場面だどないし、ホセたちもいない。
アクア曰く、変なスイッチが入って吹っ飛ばされた、らしい。
「でもさ俺、見覚えあんだわ」
「ミオボエアンってなんですか?ウィングはついに正気すら失ったんですか?」
「なんてことを言うんだよ!!見覚えがあるって言ってんの!!」
「…じー」
「なんだよその眼!!」
「だってウィング計算はできますけど暗記とか無理じゃないですか」
「暗記と一緒にすんな!!」
絶対信じていないような疑わしい目を向けられて、ウィングはああ、と星を仰いだ。
「誰ですかあの子、ウィングと同じですっごくかわいいですね」
「俺かわいいのか!?俺ってお前のなんなの!?」
「ペット…恋人です。きっと」
「なんか今不穏な単語が聞こえた!?」
「気のせいです」
しっかり気のせいにしたアクアはこの突風の中揺らぎもせずに立っている少女を見つめた。
「誘拐したらお金になりそうなくらい可愛いですね」
「例え方どうにかしろよ!!」
「何言ってるんですか。大丈夫ですよ!!」
「親指突き出してんじゃねぇ!!つか上下逆だよ!!!」
「すみませんでした」
微笑んでアクアはウィングを蹴り上げた。
「おい!!!!」
「つい癖で」
「変な癖ついてるじゃねえか!!おいどっかのお兄さん大事な妹がかなり怪しい方向に!!」
「黙れください」
「なんなんだその敬語付き命令口調!!」
「黙れウィングです」
「なんなんだよーーー!!」
楽しそうに笑っていたアクアも、凍り付くような少女の瞳をみて眉をひそめた。
「…寒そうですね」
「ちっがぁぁぁぁう!!!」
アクアが天然じゃなくなった日には、きっと世界征服でも始めるんじゃないだろうか。
ウィングは空へと叫んだ。
「全然優しくねえぞあのシスコンブラザァァァぁ!!!!」
「黙れウィング」
「聞いたことあるそのセリフ」
「今言いましたからね」
「以前ですよ」
「あ、そうですか」
ウィングは泣きたくなってきた。

