テヘッと笑う少女に毒牙を抜かれた気分で俺はため息をつく。

「いいじゃないですか~お兄ちゃんにカードもらってきたし」

妹にゲロ甘などこぞのイケメンからもらったというカードをちらつかせて見た目だけは天使な俺の彼女。

「いくら入ってるんだ?」

「ん、と…いち、にい、さん、よん、ご、あ、えっと、たくさんです!!」

「…」

数字に弱いアクアに聞いたのがそもそもの間違いだった。

俺はそれを取り上げて金額の欄を見てみる。

「…マジ?」

「はい」

「一億あるよ」

「いちがたくさん足してありますね」

「おい」

一から百は数えられる、百から千は微妙、千から一万はほとんど無理なアクアはさすがに数字に弱すぎる。

数くらい数えられるようになれよ。

「買い物行きませんか?」

「U-Sか?」

「Yes!」

U-Sってのはホセの経営してる会社YUTOPIA'Sの略。

うーん、なんだか複雑。

「今日星が言ってたんですよ!ショッピングで金運アップって」

「占いかよ!!」

「いいですよ。よく当たるんです」

「なんなんだよ」