クラウンを抱えて優しくベッドに寝かせ、俺も隣に寝そべった。
「ありがとう」
久しぶりの血は美味かった。
ねえホセ?
血って甘いの?
「お前も飲んでみれば分かる。吐き気をよもおして吐くのがオチだと思うが」
み、味覚が違うんでしょ?
「同じだな。血は甘くはない。同じ味でも好みがあるのと同じことだ」
クラウンはムッとして膨れた。
可愛い。
「部分は一族の間でもだいぶ違うぞ。たいていほとんど動脈が好みのようだが、静脈、頸動脈しか無理、なんてのもいるようだから。
女ばかりが好きなわけでもないし、食う部分にも大差がある。首筋、二の腕、手首、もも、すね、手の平、頬、脇腹、胸、舌なんかだ」
ホセは、とクラウンが聞いてくる。
「俺は動脈派だな。首筋が好きだ」
クラウンがすこし驚いて意外にノーマル、と笑う。
俺はクスクス笑って、トドメを刺すときは舌だと冗談混じりにいった。
噛み切るの?
ああ、肉ごと喰ってやる。
怖い((゚Д゚ll))
ああ、可愛い。
「ありがとう、クラウン」
俺は優しくクラウンにキスを送る。
ホセ、一緒に寝てよとクラウンが俺を抱きしめた。
幸せだ。
クラウンが眠りについてすこし、俺も紅の夢におちる。