突然のことに私はギクッと身を震わせた。
ホ、ホセ…?
「…」
ホセは返事をせずに鎖骨の辺りに舌を這わせる。
「俺の唾液には多少だが麻酔の作用がある。怖がるな」
怖がってはいないんだけど、私は小さく頷いた。
「噛むぞ」
何の前触れもなくホセはそういって牙を埋めた。
麻酔作用が届いていないところにまで刺さって私は小さく悲鳴を上げた。
いつのまにか顔のすぐ横に白い腕がある。
ガッチリ嵌め込まれてて、全く動かない。
動かす気もないのに、と思っているとさらに強く捕まれると同時に口を塞がれた。
そして、余りにも強い痛みが私を襲った。
反射的に暴れて声を上げようとしてもホセの腕がそれを阻む。
涙が溢れて呻く。
何か映画のお嬢様方はもっとスマートに襲われてたんだけど…
そう思っていると急に痛みが抜けて私は崩れ落ちそうになった。
でもいつのまにか私の体に回ったホセの腕がそれを許さない。
こくっこくっと断続的に聞こえる音とピリピリした痛み。
それが私を覚醒させていった。
それで何とか立て直したけど今度はボーッとしてきた。
血って甘いのかな、なんて思って今度聞いてみようと私は決意した。
最後に不意に感覚が途切れてペロリと舐められるとついに私は完全に力が抜けた。

