パーフェクトフィアンセ


ゆっくりと目を開けばクラウンの真剣な目があった。

きづかれないほどにクラウンを捕まえていた両腕に力を込めた。

逃げるな。

頼むから。

お前だけが頼りなんだ…

言えない。

表情の変わらないクラウンは人間離れしていて美しい。

完璧な顔は見事に左右対象だ。

ゆっくりと見下ろせば、クラウンも見上げて来る。


見つめ合った。

沈黙の中で。


次第にクラウンから人間味が薄れてきた。

正確には、その目から。

なにもかもを見通すその視線。

射抜かれるようなそれを俺はずっと恐れていた。

中心には青い宝石が見える。

金色の瞳に俺の感情が映し出されていく。

潜在意識まで到達しかねないのに。

俺は拒みたくなかった。

すべてを知ってほしい。


クラウン、それでもお前は俺を愛してくれるのか。


いくつも作ってきた壁や鏡を難無くすり抜けて、クラウンは俺のすべてを見ようと中心へ向かった。