パーフェクトフィアンセ


宇宙一と唄われるその美貌。

大きな金色の瞳。

流れるような金髪。

透き通る肌は血が通っているのかさえ不思議なのに健康的だ。

顔立ちもはっきりとした表情はいつか見た女神の絵を彷彿とさせる。

女の割に凛々しく、それでいて愛らしい。

100人男が見つければ全員が見とれるほどだ。

何故ここまで綺麗なのだろう。


その才も目を見張るものがある。

歴史はどうしようもないものの、学問は数学から機械工学まで多々の知識を持つ。

やったことのないものも始めて十秒経てばこなせるほどだ。

まるで前世の記憶があるかのように…

ある程度は俺もあるが、あそこまで完璧に記憶できるものだろうか。

会話の一つ一つ、何気ない出来事も覚えている。

だからこそ俺は絶望したんだ。

あそこまで知っていて何故気がつかない。


人の心を掴むのもクラウンの得意とするところだ。

あの人懐っこい笑顔は思考を遮る。

何も考えないような笑顔に人は騙されて行くんだろう。

俺はそれが怖い。

何も読み取れない…俺に対する敵意をだ。

不思議なことに心地いい。

だからあまり真剣に考えたくはないが…


そうして人の心を手に取るように感じ、操る。

本人はどうとも思っていないようだが…

つねに正解だ。

なにもかもがあいつの言う通り。

まるで言うからそうなるかのようだ。

それもある意味では正しいのかもしれない。

いや、そうなんだろう…きっと。


生まれながらに持った地位も財産も、間違いなく大切なものだろう。

本人がそう思っていなかったとしても。



ここまで来れば異性がクラウンに惹かれるのは不可抗力だ。

クラウンも純粋に俺が好きだとは思えないし…

ちょっとアタックされたら俺が止めなきゃ俺からはなれて行くんじゃないか。

そこまでしてクラウンを引き止めていいのか。

朝昼晩べったりくっついていたいがオレにも仕事があるしさすがにそこまでしたら引かれるだろう。

とにかく一秒でも長くクラウンを手元に…俺のものにしたい。


できることなら俺だけを頼ってほしい。

俺だけを見ていてほしい。

二度と離れられないほど強く想ってほしい。

永遠の時間を俺に与えてほしい。


そればかり考えている。