パーフェクトフィアンセ

そして、俺は目の前で繰り広げられる論争に見惚れていた。

「嫌です!」

頑として譲らないアクア。

もちろんクラウンも負けていない。

二人ともムキになって…

ああ可愛い。

「おいニヤニヤすんな。見とれられてるぞ」

後続の台詞がおかしい気がするがおいておこう。

今は目の前の可憐な蝶を観賞するのが先だ。

「おい俺は!?」

「うるせえなハエは引っ込んでろ今は蝶達の観賞だ」

「頭イカれてるけどイケメンだ…」

うるさいハエめ。

可憐な蝶を汚すな。

あるいはひ弱な小鳥…

あぁ可愛い…

「…お前…どっか打ったな…医者にかかってこい」

ついでにその容姿(スタイル)から溢れ出す色気を消してこい。

そう言ってウィングは軽く俺を小突く。

「何度か整形には行った」

しかし門前払いを食らった。

"直"せないといわれどれ程ショックだったか…

「なんて言ったんだよ」

「せめて鏡が直視出来るくらいに整った顔にしてください」

「そりゃ無理だ」

おい。

慰めろ。

「救い用のないブスって言うのかよ…」

「…」

俺はウィングを放置してまたじゃれあう子猫ちゃん達の観賞に入った。

「…考えてること変態なのになんで格好いいんだろうな」

これは差別だ。

そういってウィングは神を恨むのだった。

「フッ」

「笑うな!」