パーフェクトフィアンセ

戸惑いがちに、扉が開く。


「ホセ…いるんですよね…?」

俺は息を殺し、ソファの後ろで縮こまっていた。


「ホセ…?」

駄目だ…こっちにっ…

「はぁはぁはぁハァハァハァハァ…」

「ホセ…!」

緊張が爆発して軽い過呼吸に陥った俺はアクアを涙で濡れた視界に映す。


アクア…

ずっと会いたかった。


言いたいのに浮かぶのは最悪のシーンばかり。

走り去るアクアは俺を嘲笑う。

___ずっと死んで欲しかったんだ…

「あァ、ァ、ア…」

喉はカラカラで激しく咳き込み、ますます思考は悪い方向へ向かう。

過呼吸を気にしていられないほどに苦しくて俺は頭を振り、バタリと倒れる。

涙で歪んだ視界の奥、アクアが泣いたのは気のせいか。

ぜぇぜぇと途絶えそうな呼吸の中、俺を呼んだのは気のせい?

"コワガラナイデ"

"ダイジョウブ"

"ナグサメテアゲルンダ"

星…

誰に話してる…

俺が聞こえないと思ってるはずなのに。