パーフェクトフィアンセ


話を聞いて私は素直に言った。

「最低ですね」

だってだって、クラウン売って...


「…ま、結果オーライ。」

仕方ないか、と首を振り溜め息をつく私。

自分の欲に非常に…と言うか異常に忠実なウィングのことだし。

そこがいいんですけど。

よく言われるんですよ。

"自分の次にアクアが大切なんだ"

って。

正直でいいですね♪

ウィング大好きです!


ホセとは、正反対だけど。

クラウンとはまた違った意味で。


ウィングは白銀の白い髪に見開かれた銀の瞳。

ホセは黒い赤の髪色切れ長の暗い赤の瞳。

ウィングは白すぎず程よく焼けて健康的な肌の色。

病気なんじゃないかというほど白い肌のホセ。

いつも人懐っこいキラキラした笑顔を浮かべるウィング。

稀に優しくも冷静かつ妖艶な微笑みを湛えるホセ。

ウィングはものすごいナルシストで自信たっぷり。

自覚症状はゼロに等しくどこか儚げなホセ。


そう、正反対。


同じなのは性別と、格好よさと

"家族がいないこと"。



「ウィング」

「何?」

「大好き」

満面の笑みでそう言えば。

真っ赤になって照れながらあの笑顔を浮かべてくれる。

ホセならきっと、恥ずかしげもなく

俺もだ

なんて返すんだろうな。


比べられない二人。

「ねぇウィング。

ホセがお兄ちゃんでなかったら、全くの他人だったら、

ウィングがお兄ちゃんだったら

隣を歩くのはウィングだったのか。

自信がないんです。ごめんなさい、ウィング」

生まれ変わっても、あなたを愛せる自信がない。

一息にそう言えば、ウィングは戸惑って、そのあと太陽のように笑った。

「ホセが兄ちゃんじゃなかったら、お前生きてねぇよ。

俺だったら見捨ててるし。

ホセのやろーに惚れるのもわかるからな。安心しろよ。

生まれ変わっても一緒だなんて俺も無理だろうから」

そのぶん、今をエンジョイしようぜ!

なんて、

「馬鹿みたいです」

そんなとこが、大好き。