パーフェクトフィアンセ


「無理をするなジュエル。傷が開いたらどうする」

「もう一か月も会ってない、一度会いたいんだ。クラウンは妊娠してるんだぞ、よりにもよってこんな時に!!」

「落ち着いてください、興奮は体によくありません…」

「ライオだってまだ四つだぞ!早く帰ってやらなきゃ…」

「L君、駄目です。あと半年は…」

「一度でいい!ライオを連れてくるかなんとかしてくれ、寂しがりなんだよああ見えて」

「ジュエル君、静かにしなさい。うつるのは分かってるだろう、ライオ君には会わせられない」

ホセは絶望してうつむいた。

あと半年も会えないのだ、金髪碧眼の天才、ライオに。

「…ライオ」


ホセは魔界で、吸血鬼に深手を負わされていた。

毒はホセを伝染病に導き、数日前までは意識も無かった。

ようやく意識がはっきりしてきたらこれだ、ゼロは頭を抱えた。

触れたものは徹底的に消毒しなければならず、同じ建物にはいられないほどだった。

こうして会話できているのはゼロがロボットで、Nが特殊ウィルスの抗体を持っているからだ。

電波が通じるところにはすなわちウィルスも飛んでしまう。

飛沫感染はもちろん空気感染、さらに視覚感染、音波感染までしてしまう。

どこまでも悪質な毒だ。


おかげで身内に伝えられたのは深手を負ったという事実のみ。

元気にしていると、それを伝えることすらできない。

あと四か月、研究員には緊急で薬を作らせてはいるものの、どれだけかかることやら。


「ジュエル君、食べられるか?」

「…すみませんNさん」

一人にしてくださいと、できるわけがない要求をしつつ、ホセは溜息をついた。