「…」

どうやら、ホセは結婚式の能力改革が私にも起きたと勘違いしているらしい。

「…じゃあ、お前はそのままなのか?」

そのままっていうか、確かにちょっと記憶力が上がった気がする…

「元々完全記憶持ってただろう?」

持ってない。

ホセ、誰しもホセみたいな天才じゃないんだよ。

違うんだよ!

「…それは悪かった」


話によれば、ホセの視覚はいろんな意味で爆発的にはねあがったらしい。

「視力も上がったが意識すれば透視もできる…やろうと思えば距離も目視で正確に測れるしな」

すごい。

すごすぎる。

ホセの才能に磨きがかかった。

「ウィングのやってる事も分かるぞ…ああ、アクアと戯れてるな」

戯れ…?

「具体的にいうと、ウィ」

待った嫌な予感しかしないから止めて!

年齢制限かかりそうだから駄目!

エグい!グロい!

「…大丈夫だ、ちょっと痛そうだがどちらかといえば尋問だ」

何と比べた!?

「処刑」

されてたまるか!

あの家族異常だよ!

おかしいよ!

「…言っていることは分からないが…ウィングが浮気でもしたな、アクアが喚いてる」

それは結構やばい奴では…

「大丈夫だ、クラウン。心配するな」


よりにもよって、とホセはこちらを向いた。

「他の男を…な」

優しい微笑はどこか私を安心させる。

私は頷いて、ニコッと笑った。