パーフェクトフィアンセ


ホセ。

どうしたの?


アイスを食べ終わった直後。

遠くを見て瞳を伏せるホセがいたから。


「悪い」

はっとして優しい笑顔を取り繕うホセは優しかった。

「ぼーっとしてて」

悲しそうに言うホセに胸が痛んだ。

「嫌いになった?」

そんなわけないよ。

ホセのこと大好きなの。

「嬉しい」

ねえ、嫌いになることを恐れてるなら、心配しなくていいから。

好きだから、頼ってほしいと思うのは私だけなのかな。

平気だなんて言わないでよ。

苦しいのはいつもホセだって分かってるから。

「クラウン、大好き」

だから、棄てないで。

そういった気がした。


こんな時どうすればいいの?

私にはわからない。

だからせめて、泣いてくれたら。


「ユーホーキャッチャーやるか?」

好きだったろ?

てらてら笑うホセは、いつもと同じだった。