心地よく流れ始めた曲に、ホセは立ち上がって私の手を取る。

「踊るぞ」

一方的なその宣言。

私は断ることもできずにホールまでつれ出されてしまった。


「なあクラウン」

私の手を取りながら、ホセが言った。

「誓いでも交わそうか?お互い逃げないようにな」

私は笑って、必要ないでしょって、言った。

ホセが逃げないようになんて、馬鹿みたい。

「そうか?」

ここで永遠を誓ってここに幕を引いてもいいんだが?

私はクスッと笑う。

だって私達は始まったばかりでしょ。

エピローグには、早すぎない?

ホセは愉快そうに高く笑って、私の持ち上げ一周回る。

「なるほど、まだまだ続く、か?」

綺麗に笑ったホセに導かれて、それでも私達は将来を誓った。