「…起きたか、クラウン」

狂気さえ感じられる危険な金の瞳は、心配そうに歪んでいた。

「誰に、やられたんだクラウン」

ホセは優しく、私の深い頬の傷痕を撫でた。

自分でやったのとそう私が微笑むと、ホセはピクッと痙攣した。

「…何故…だ?」

ホセに、会いたくて。


そのときの、あの表情を私は忘れない。

驚愕に見開かれた瞳はやっぱりわなわなと震えていて、ショックを隠そうともしなかった。

「クラウン…」

とろけるようなその声に私は永遠の幸せを感じた。

その声には酷くたくさんの感情が載っていて、それを知ることはできなかったけど。


ホセこそ、どこで怪我したの?

私がそう問えば、特に大きなその片目の下に刻まれた傷に触れ、ホセは答える。


「話せば、長くなる…クラウン」

夢にまで見た美しいその笑顔と共に、ホセは私に癒しの魔法をかけた。