パーフェクトフィアンセ


何度も何度も開いてボロボロになったその手紙は、しっとりと涙で濡れてしまった。

あんなに長かった内容はもう、空で言えるほどになったのに。

ホセ、ホセ。


待たないなんて出来ない。

忘れるなんて出来ないよ。

ねえホセ。


苦しいよ。

慰めて、大丈夫だからって、優しいあの声で。


苦しいの。

酷いよ、ホセ。


何で私を置いていったの?


ずっと一緒だったでしょ?

戦って来たでしょ?


ホセ。

ホセ。


嗚呼神様、ホセは一体、いつ帰ってくるの?


明日でしょ?

明後日でしょ?

明明後日でしょ?


何度も裏切られる期待に、それでも私はすがっていた。

セイが何度私に結婚を持ちかけたか分からない。

あんなにホセは優秀だけど、ホセが言う通りやっぱり吸血鬼の子供は作っちゃいけないから。

私はそうは思わないけど、そうやって決まってるから。


結婚だけすればいい。

実質上は、彼と暮らせばいい。

子供も二人で育てればいい。

そんなことで貴女を見捨てる人じゃないでしょう?


セイはそういってくれた。

きっとどこまでも屈辱的だと思う。

そんな台詞。

自分は飾りになるからと、自らそういうセイが一体、どれだけつらかったか。



でも私は、セイの腕で、泣くことすら出来ない。

セイは怒ることもなく、笑って。

頷いてくれた。