結論から言うと、アクアはウィングと天界に帰った。

ホセの気にしてた"式"は三日後に。

というのも二人には呼ぶべき人が全くといっていいほどいなかったから…

静かな砂浜で、将来を誓い合って。

それだけの。

ドレスも教会も何もない式だった。


そうやって知った風に言う私は、実はというかもちろん、それはホセを通して聞いただけ。

ホセは持ち前の視力を生かして、天界の時計台から見ていたらしい。

…用は、街中から浜辺を見ていた。

絶対にホセに隠し事はできそうにないなあ…


ホセ曰く、アクアとウィングにつかの間の新婚生活に水をさしたら興醒めだ、と。

アクアに関しては、ほんと、ホセは馬鹿になる。


証拠に、行方不明のはずのホセは幾度となく私の前からいなくなり、フラッと帰ってくる。

どうやら記憶の消去は起こらなくなったようで、ホセは迷わない。

私たちは何も変わらず、変わらず。

毎日ホセと二人でいて、気がつけばホセの傷すらすっかり癒えた。

どれだけ時間がたったのか分からないけれど、確かに時間は過ぎて行き。

間に三つ子の誕生を挟んで。


ある日、アクアとウィングがホセと一緒に現れた。