「ありのままを教えてくれれば」

「…そう…ですか」

ほとんど動かないホセはこちらから見れば眠っているよう。

あまりにも長い沈黙に私はしびれを切らした。

ほんとのこと言えばいいと思うけど。

「…」

ホセは私に向かって力なく首を横に振る。

言えるわけないだろ、と。

何がまずいのか正直分からないけれど優しいホセのことだからなんかまた余計なこと考えてるのかな、なんて。

ホセのバカ、そうつぶやくと私はお母様の腕にしがみついて言った。


昨日から付き合ってるんだよ、って。


「…っ!」

ホセが私を睨むのが分かった。

何でいうんだ、そう聞こえる気さえする。

でも私は止めない。


だから、ホセとも婚約したいって。

そういった。