ただ、それからが大変だった。
パズルのピースはちらりと見ただけで優に1000ピースは超えている。
それをせっせと組み立て始めたホセ。
これが途方もない作業であることは致し方ない。
何しろホセの計算上100000ピース。
一つのピースは1cmほどの幅しかなくて、小さく、小さすぎる。
一つ一つに異様に細かい文字がかかれていて、遠くから見ればただの一色の板。
こんなものがなぜ、と私は思ったけれどホセ曰く大切なものらしい。
「気が付いたらこの外の迷路にいた。天蓋の中に入ってたんだ、これが記憶の鍵に違いない」
熱心にピースをはめていくホセの手つきはどこまでも合理的で、どうやら思考回路までは消去されてなかったようだけれど。
やっぱり私のことは忘れていて、アクアのことも、ウィングのことも、さらには自分の名前すら。
これがホセの記憶を戻すカギとなるのなら、確かに見つけてあげたいな、と思った。
…でも、これはだめだ。
何しろ1000ピースのパズルでも一日やり続けて何とか終わるのもなの。
パズルっていうのは。
しかも絵柄もついていなければ見本もない。
全部一色。
つまり手に取ったピースが狙ったところなのか確率は100000分の一かそれ以下。
数字が天文学的になってきた。
実際ウィングとアクアは奇跡でも起きない限り嵌るピースを見つけることはできない感じ。
なので二人はかどっこを探して悪戦苦闘。
私は二人が探した端っこをつなげる。
ホセは天才的な頭脳を生かしてピースをはめていってる。
一人で。
それにしてもこんなの一体何年たったら完成できるんだろう。
なんでこんなのやってるんだろ。
でもホセが必死なんだから、きっと大切な記憶。
私たちも頑張らないと。

