時は3252年。

現時点ではこの世には
2種類の人間が存在していた。


1つは普通の人間。
【オーディナリー】

知能がとても高く、
現在世界の中心となっている
特殊性能コンピュータ「零シリーズ」を
創りだした種族である。



そしてもう1つは異能力者。
【ディストラクション】

過去に辛い記憶を持つ者達が、
突然変異により空間変化などの
異能力を使う様になった種族である。

その過去が七つの死に繋がる罪に
自然と分類され、髪や眼の色が変色する。


オーディナリーの10人に1人は
ディストラクションという
人口割合が先日発表された。





ディストラクションが生まれたのは
約1000年前に起きた世界改変時。


当時、各場所で崩壊現象が起きていた
この世界では人も精神崩壊していた。


そして崩壊した人は脳の開花により
異能力が使える様になってしまった……


無力な人々はその者たちを恐れ
ディストラクション(破壊)と、
反対にディストラクションは
無力な人々をオーディナリー(平常)
とお互いを呼んでいた。


だけど2つの種族が同じ地位な訳なく、
ディストラクションはオーディナリーを
虐げ、奴隷の様に扱っていた。



その扱いにオーディナリーは
不満が爆発し、秘密裏に
特殊性能コンピュータ「零」を
作成し始めていた。


「零」の性能はディストラクションの
犯罪係数を計算し、その者を排除したり、
「リーム」と呼ばれる機械人形を製造し、
対象のディストラクションを
殲滅したりするというものだった。



流石に人権に関わってくるという事で
当時は設置却下されたが、改良され、
現在では普通に使用されている。


ただ改良したと言っても、
リームの目的がディストラクションの
殲滅ではなく罰則に変わっただけだった。


なのでディストラクションの態度は
全くと言っていい程、変化はなかった。



その事に狼狽したオーディナリーは
ディストラクションとは別の所へ
生活場所を変えることにした。


「零」は、
その新たな生活場所で犯罪をした者に
利用するという事になった。


それでも対処ができなかった
オーディナリーは常に戦闘をしていた
ディストラクションに提案を持ちかけた。


その提案は通り、
オーディナリーとディストラクションは
再び生活を共にすることになった。


オーディナリーの提案は
ディストラクションが犯罪をした場合、
オーディナリーは皆、避難し、
ディストラクションが対処に応るという
【同種破滅】という制度の加入。


オーディナリーの方が
知能が高い事が判明されたので、
その制度の代わりにオーディナリーは
ディストラクションに
全ての知能を提供するという提案をした。


あっさり許可され、2999年。
オーディナリーとディストラクションは
再び生活を共にすることになったのだ……