何かのドラマに出てきそうだ、と思う。
「これ何階まであるの?」
エレベーターに乗り込むと、
夕樹くんはボタンを押す。
「10階までだよ」
ゆっくりと、静かにエレベーターは上昇していく。
こんなにも乗り心地のいいエレベーターがあったんだ、と感心した。
「すごいね、てことは夕樹くんちも
結構高いところじゃん」
「まぁ、そうなるかもね
…はい、着いたよ。
転ばないように足もと気をつけて」
扉が開いて足を踏み出して、ふと外を見てみるとその景色に目を奪われた。
「きれいだろ?」
「本当、きれい」
夕樹くんも隣に来て一緒に眺める。
「ここ、8階でかなりの高さあるし。
この時間帯が1番きれいなんだ」
夕日が街を優しく包み込むように照らし、
海はオレンジ色に染まっていた。
「あ。ごめん、つい見入ってしまって。
夕樹くん、案内して?」
「了解。と言っても…もう着いてるけどな」
夕樹くんが指をさしたのは
ここから、2つ先の部屋。
その部屋の前まで行って、財布から取り出したカードキーでロックを解除した夕樹くんが「上がって」と促す。
「お邪魔します…」
靴を脱いで玄関の隅に揃えると、部屋までの道を歩きながらぐるりと見渡した。
靴はキレイに並べられており、リビングもすごくスッキリしていて、もしかしたら私よりかも整理整頓が上手なのかも…と思う


