なんで、知らんぷりをするの? 何で、なんで、ナンデ…? 「汐音、唇…噛みすぎだよ」 「っえ?」 愛羅にそう指摘されて、 唇にそっと触れてみる。 「ぁ…、血…」 何度も何度も力強く噛んでいたそこからは、じんわりと血が滲み出ていた。 「無理、しないで」 眉を下げてそう言う愛羅は、 ひどく悲しそうな表情をしていた。