あの時と全く変わらない彼女をみて 苦笑すると、私も手を振り返す。 唯一、変化があったのは当時はショートだった髪の毛が肩までの長さになっている事だろうか。 休憩所の近くまで来ると、彼女はベンチに置いていたカバンや紙袋を引っ掴んで、 まだ履き慣れてないであろうヒールに躓きそうになりながらも、急いで私の元へと走ってくる。 「汐音っ、久しぶり!!」 「本当に久しぶりだね、愛羅。 元気にしてた?」