低い耳鳴り、身のすくむ気配。 ……いつも通りに、落ち武者は現れた。 体は、動かない。 ……このブレスレットでどうにかなるかな、とちょっと思ったんだけど。 「許さぬ……許さぬ……」 落ち武者の幽霊は、いつも通りフォンフォンと飛んでいる。 私は、心の中で溜息をついて、お経を読み始めた。 その時。 「椿ちゃん!?大丈夫!?」 ふすまを突然開けて入ってきたのは 直人だった。