幽霊なキミ。

「だ、誰!?」
 


私はたじろいで、もう金縛りにあってるわけでもないのに動けなかった。




同い年くらいに見えるその男の子は至近距離で私を見つめたまま、ぱちぱち、と瞬きをすると、




「可愛いね。」  




そう言って、顔をさらに近づけてきた。



(キ、キスされる!?)




私は思わずギュッと目を閉じたが、いつまでも来ない唇の感覚に、そっと目を開けた。




すると、ピントが合わないくらい近くに男の子の顔があった。




(!?)





私は布団から飛び出して後ずさった。




「あ、あんた!!」




「キスの時目開けちゃダメだよ。」




「馬鹿!あんた幽霊じゃない!」





男の子は良く見ると、薄く透けていた。