冬独特の雪混じりの雨が私の髪を濡らす。
塾までの道のりがいつもの倍ほどの長さに感じる。
ちらりと時計を見ると17時を回っていた。
すると突然左肩を叩かれ体が身震いした。
「入りなよ」
傘を持って立っているすらりとした細身の青年が手招きする。
クラスは違うし、話したことは多分ない。
けれど一般受けしそうな容姿と抜群な運動神経がたまに話題になるから名前はわかる。
『高畑君…だよね?』
2回頷くだけでそれからは殆ど言葉を交わさなかった。
よく見ると彼の肩は濡れていてそれが彼なりの優しさで、心が暖かくなった。
いや、あまり笑わないクールな彼だからこそ出来たのかもしれない。
あっという間に塾に着きその時初めて送ってくれた事に気付いた。
『送ってくれてありがとう!』
そう言うと彼は軽く微笑み一粒のチョコレートを私に手渡すと帰っていった。
今までの感覚とは違う、まさに『恋に落ちる』瞬間だった。
塾までの道のりがいつもの倍ほどの長さに感じる。
ちらりと時計を見ると17時を回っていた。
すると突然左肩を叩かれ体が身震いした。
「入りなよ」
傘を持って立っているすらりとした細身の青年が手招きする。
クラスは違うし、話したことは多分ない。
けれど一般受けしそうな容姿と抜群な運動神経がたまに話題になるから名前はわかる。
『高畑君…だよね?』
2回頷くだけでそれからは殆ど言葉を交わさなかった。
よく見ると彼の肩は濡れていてそれが彼なりの優しさで、心が暖かくなった。
いや、あまり笑わないクールな彼だからこそ出来たのかもしれない。
あっという間に塾に着きその時初めて送ってくれた事に気付いた。
『送ってくれてありがとう!』
そう言うと彼は軽く微笑み一粒のチョコレートを私に手渡すと帰っていった。
今までの感覚とは違う、まさに『恋に落ちる』瞬間だった。