「さぁ〜、飯だ飯!」


事務所内で、海の声が響く。


今は、昼休み。


今日、社内で昼食をとるのは、俺達三人しか居ない。


「お前ら、どう思ってる?」


食べ始めたとたんに、俺は海と木村に質問を投げ掛けた。


「んあ?何がだよ?」


突然の質問に、そう答える海。


木村は、黙ったまま、海の言葉に頷く。


「だからさ、昨日の事だよ!」


俺はあえて細かく説明しなかった。


「あぁ〜!もしかしてお前、俺に気ィ使ってんのか?」


海は、箸をくわえたまま、ニィ〜っと笑っている。


バカにしやがって……。


「や、そうでも無いんだけど……ただ、どう思ってるかなって。」


俺は、海から目を反らし食事に手をつけ始めた。


「どうって……別になんも!」


……。


なんもって……。


「なぁ、星来?」


海は木村にも同意を求める。


「う、うん、まぁ……。

てか、むしろ嬉しかったかも。」


遠慮がちにそう返事をした木村。


「嬉しい?」


何が嬉しいんだ? 


自分の彼氏の元カノが、他へ向くからか?


「えっと……昨日、二人を見てて、お似合いだなぁって思ったんで……。

それに、真剣な安藤サンなら安心だし……?」


安心って!


俺は狼じゃねぇぞ?


でも……


お似合い……



ふっふっふ


お似合いかぁ……!