「こらぁ!菊崎何しとるかぁ!」

「ゲッ、浜ちゃん!」

校舎の方から浜ちゃんが竹刀を持って走ってきた。

「ど、どする、紗菜」

「も、ももももももうダメだ。諦めよう」

「紗菜ーー!死ぬなーー!」

「アババババ」

紗菜がヤバい。

泡出してる!

「ちょっと待て!あんたそもそも何にもしてないでしょ!」

「はっ。そうじゃん」

すくっと立ち上がった。

「私が成績落とされる心配はないわけだ」

「………」

呆れた…。

「うわっ、長谷川大丈夫か!?」

浜ちゃんは奈々ちゃんを連れて、保健室の方へ走って行った。

もう他に私達の回りに先生はいない。

「チャンスかな?」

「逃亡の?」

私と紗菜は顔を見合わせる。

「まあ、私は逃げる必要性ないけど」

「そこは親友の仲ということで」

「う~ん、今度アイス奢って」

「のった!」

私と紗菜は校門の方へ走り出した。