「茜！」
「さ、紗菜！」
よかった、助けがきてくれた！
「ちょっと、もう急に走り出さないでよ。何もやらかしてないで…ってうわっ」
「やらかしました…」
「アホーーーー！」
殴られた。
おもいっきり殴られた。
ていうか、ビンタされました。
「いてて…」
「あんた女の子殴るとか何やってんのよ！」
いや、あなた今殴りましたよね！？
「だって頭きたから…」
「それでもダメ！相手が男でも女でも手を先に出した方がまけなんだよ！」
「………」
正論。
正論なんだけど、紗菜に言われても説得力がないというか…。
「まぁ、茜を説教するのは後にするとして…」
「どうしようか、これ」
一瞬だけ忘れてたけど、奈々ちゃんまだ意識取り戻してなかったよ…。
