練習が終わって、片付けを出来る範囲で手伝っていると、同級生であり、同じポジションのライバルである、優花(ゆうか)が私に声をかけた。

「茜、けがしたの?
大丈夫なの、ファーストまた出来る?」

優花は心配してくれているようだった。

たとえライバルであっても、仲間としてはとてもイイヤツなのだ。

「わかんない、でも重傷かもしれないから」

「そっか…。
やっぱり茜がいないとあたしが頑張ろうってきもちが薄れちゃうからさ」

「ありがとう。
急いで治すよ」

「うん。けがの間はあたしがファースト守るから」

そう言って優花はグランド整備の方へ走って行った。

皆心配してくれた。


優太も、優花も、あの恐い椎名先輩まで。
私はこのチームに必要なんだ、と改めて思った。