「えー、でも陽太ならさっき帰ってたよ」
「えっ、うそ…」
衝撃の言葉。
「陽太もう帰ったの?」
「うん!さっきまで喋ってたの。
茜ちゃん来ないなーって言って帰ってたよ」
サッキマデシャベッテタ?
え?
え?
いやいや、おかしいよね。
元カノだよね、この子。
元カノと仲良くする彼氏っておかしくない?
普通なの?これ普通なのかな?
私がおかしいのかな。
「………」
「あっ、ごめんねぇ!彼女にこんなこと言ったらダメだよねー」
「……あははー」
棒読み。
私も、奈々ちゃんも台詞が棒読みだ。
「もう帰ったほうがいいんじゃない?
あんまり残ってると先生に怒られちゃうよ」
「あー、そうだね。じゃあもう帰るわ」
「うん、バイバーイ」
奈々ちゃんに促され、私は校門を出た。

