「おはよう」
「ん」
おはようの返しが「ん」って何だよ。
と言いたくなるのを我慢しつつ、玄関をあける。
そのまま私の部屋に通した。
「体は大丈夫?」
「あー…。まあ、大丈夫、かな」
「よかった。明日から学校いけそうだね」
「あー…。うん、そうだな」
何やらさっきから目が合わない。
「ねえ、さっきから何見てるの」
思いきって訊いてみた。
すると陽太は、やっとこっちをみて言った。
「………お前が、また露出が激しい服だから」
「へ?」
ショートパンツにTシャツという私の服装に何が問題があるというのか。
確かに、Tシャツの首回りは大きめですけども。
そんなに気になるかな…。
「…まあいいか」
「何がいいのよ」
「お前が気にしてないならいいかってこと」
「あ、そう」
確かに気にしてないですけどね。
「これ。母さんが持ってけって」
陽太の手に紙袋があるのは気づいてたけどあえて気づかないふりをしていた。
「わっ。これ、駅前のケーキ屋のやつじゃないですか」
「んー、なんかそんなようなこと言ってたようなきがする。
マカロンだって」
「うそっ、マカロン大好き!」
袋を開けて、早速口に運ぶ。
「ん~、まいう~」
「ぷっ」
「ん?なんで今笑った?」
「いや、幸せそうだなーと思いまして。
悩み無さそうだなーみたいな」
いいながら陽太の顔は笑っている。
悩みがない?
「……私、今悩みあるよ」
「え?あるの?茜に?」
「うん」
それは昨日の、
「陽太、昨日、何の夢を見てたの?」

