翌日日曜日、起きたらもう11時だった。

「茜、もうそろそろ起きなさいよ」

「わかってる」

お母さんに言われて、ノソノソと布団を出る。

「そういえば、陽太くん。熱下がったって」

「…本当?」

「菫ちゃんが、『茜ちゃんのおかげよ!ありがとう』って言ってたよ」

「よかった……」

明らかな菫さんのモノマネは無視してあげた。

「それで、あとで陽太くん来るって」

「え?なんで?」

「さあ?お礼にでも来るんじゃないの」

「ふうん」

「それまでに着替えておきなさいよ」

「…わかってる」

まあ、陽太だし。
楽な服でいいか。

クローゼットを開けて、ショートパンツとTシャツをとって着た。

「あんた、その格好でいいの?」

「は?なんで、ダメ?」

「ん、いや、別に。
あんたが良いって言うならいいんだけどね」

「ていうか、いつまで部屋にいるの。早く出てってよ」

「ああ、はいはい」

お母さんは文句ありそうな顔で出ていった。

何よ、なんかいけないところあるかな。

ピンポーン。

陽太が来たみたいだ。