暑い…。
9月と言えど、今日は暑い。

暑い、というか、熱い…。

夏休みが終わってから初めての土曜日。
今日はどの部活も休みである。
理由は知らないけど。

それで今、私の部屋。

それで、陽太に後ろから絡みつかれてる。

後ろから抱きつかれて、プラス足も。

「よ、陽太、熱いんだけど…」

「んー?」

なんだか陽太がいつもと様子が違う。
なんか、可愛い…。

「んっ」

いきなり唇を塞がれる。
いつもより荒々しい。乱暴だ。

「ぷはっ」と離すとまた元の体勢に戻った。
さっきからこれを何度も繰り返している。

「どうしたの?今日、なんかおかしくない?」

すると少しすねた顔で、

「別に」

と言った。

…陽太がなんか、可愛い。
いつもより子供っぽくなってる。
カラダも若干熱いし…。

「あれ?あんた熱あるの?」

額に手を当てると、すごく熱かった。

「熱なんかねーよ」

「あるよ、すっごい熱いよ。
風邪引いたでしょ」

「そいえば昨日雨降った時に傘…忘れた」

「それがダメ。
とりあえず家帰って休みなよ」

「……母ちゃんいねーし」

「あ、そっか…」

「茜が面倒見てくれればいい」

「え」

陽太の腕が腰に絡み付いてきた。

「オムライス、食べたい…」

手がだんだん上がってきて胸に当たるところだったので、陽太の手を引き剥がして

「分かったから!分かったから、一旦家に帰って」

「ん」

「後から材料持っていくから、先に帰ってて」

「ん」

一度だけ唇を軽く合わせて、陽太は家に帰って行った。