この状況は気まずい。

四角いテーブルで、優太と陽太が、私を囲うようにして座った。

「で、決まった?」

沈黙を破ったのは優太だった。

「うん。決まった」

「じゃあ、言ってくれ」

二人とも、心の準備は出来ているようだった。

「私が選んだのは――…」

私が言った。

「陽太、です」

思わず、かんでしまうところだった。
あぶねー。

気温がただでさえ高いのに、私の体温はどんどん上がっていく。

「……だから、その、優太、ごめん」

ちゃんと優太に向き合って言った。

ごめん。
選んであげられなくて、ごめん。
あんなに頑張って伝えてくれたのに、ごめん。

そんな意味を込めて言った。

「俺は」

優太が言った。

「何となく、フラれるだろうなって思ってた」

「え、どういうこと?」

照れ臭そうに頭をかいた。

「自信はあったよ。
でも、それはちがくて。
茜は陽太に対しては、男だとしてみてるけど、俺は安心しきってる感じで。
恋愛対象としては違う気がしてた」

「なんか、…ごめん」

「謝んなよ。
俺がカッコ悪いだろ」

優太は笑ったけど、それは悲しげだった。

あの日の落合先生のような。

「じゃあ、俺は帰るわ。
お幸せに」

「…………」

「じゃあな」

「見送るよ」

「いいよ。家そこだし」

「いいの。ほら、陽太も」

そして、玄関で別れた。

これで、優太とはただの友達でもいられなくなってしまった。

後に残るのは、悲しさと清々しさだった。

後悔はしなかった。