まだまだ暑さが残る、9月1日。
二学期最初の日。

「茜ーーー!!」

タックルするように抱きついて来たのは紗菜だった。

「うわっ」

「おっはよー」

「…新学期そうそう、テンション高いね。
ていうか、痛い」

「あっ、そいえば肘大丈夫?
もう動けるの?」

「うーん、もうギプスは外れたから動けるけど、ソフトは出来ないかな」

「そーなの…」

「でも私、ソフト部のマネージャーやるんだ」

「マネージャー!?
そんなんあったっけ?」

「ううん。先生が校長にお願いしてくれるって」

「そーなんだ、よかったね!」

「うん!まだソフト部の人たちには言ってないから、秘密にしといてね」

「わかった!」

背が高くて、いつもは静沈着な紗菜だからこんなにテンションが高いのは珍しい。

でも無邪気に笑うところが、いつになくめっちゃ可愛い。
いや、普段から可愛いけど、違う可愛さがある。