4本の腕に、つまり二人分の腕に抱き締められた。

一人は、とても優しく。
一人は、とても強く。
抱き締められる。

「辛かったんだな」

優太の声が聞こえた。

「今のうちに泣いとけ。
俺達しかいないときに、思いっきり」

これは陽葵だ。

優しくされると泣きそうになる。
泣かないって決めたのに、…決めたのに。

「………ありがとう」

「そんなん言わなくてもいいよ」

「そーだぞ。やるべきことやってるだけだから」

「…それでも…ありがとう」

「いいって」陽葵が照れくさそうに笑った。
見上げたら、二人とも私の上を見ていて目が合わなかった。

「なんで上向いてるの」

「…、服のなか見えちゃうから」

「…あっ」

私は、タンクトップの上に上着を着ているけど、前のチャックを開けてるから、上から見ればつまり、丸見え。

二人が腕を放した。

「また泣きそうになったら俺達に言え。
安心させてやるから」

「ああ。すぐに言えよ」

「……うん」

二人とも、よくそんな恥ずかしいセリフを軽々と言えるな、なんて感心してる場合じゃないけどそんなことを考えてしまう。