「じゃあ、あたし行くね。
友達待ってるし」
紗菜が一安心したようにため息をついて腰を上げた。
「あ、大橋さん」
陽葵が紗菜を呼び止めた。
「ありがとう、こいつを保護してくれてて。
助かった」
「……うん。どういたしまして」
紗菜はまた悲しい笑顔で笑った。
本当に悲しそうだった。
「んじゃあ、祭り再開しますか」
「うん、そうだね。
私、チョコバナナ食べたいな」
「俺はフライドポテト買ってくるわ」
優太がそう言って、買いに行った。
「あ、陽葵は?なに買うの?」
「俺はお前に着いてくから。別に食べたいもんねーし」
相変わらず可愛くないヤツだ。
でもクレープの方を見ているのはまるわかりだ。
「クレープ、食べたいの?」
「は!?そんなこと言ってねーし。
早くチョコバナナ買いに行くぞ」
陽葵は私の手を握って、ハッとしたようにまた手を離した。
「ごめん、忘れてた」
「いや、いいよ。
お店につくまで、握ってて」
こんな人混みではぐれたら、またさっきみたいなことになるし。
「あー。わかった。
店、までな」
そしてまた握り直して歩き始めた。
チョコバナナを買って、フライドポテトを3人分買ってきた優太と合流して3人で花火を見た。
フライドポテトは少し、塩がききすぎている気がした。

