チェックインしたばかりのホテルの窓から街を見下ろす。


降りしきる雨に濡れた街並みが自分の心のようで、苦いものが喉元まで込み上げる。


それとともに、もう癒えたと思っていた心の古傷がチクリと痛んだ気がした。


7年振りか…


心の中で呟いた瞬間、あの時味わった気持ちが鮮明に蘇った。


悲しみ


怒り


絶望…


いまだに。
7年経ったいまだに、
まるで昨日の事のように思い出した。