恋の練習屋

『仲町公園に9時半』。


『遅刻厳禁』。


あの大学一の変人は確かに、そう言った。


ただいま、11時でございます。


えぇ。言った御本人が大幅遅刻してやがります。


からかわれたんだろうか。帰ってやろうか。あのくそハニーフェイス野郎め。イケメンだからなんでも許されるわけじゃないのよ!!


遅刻はイケメンもブサイクも重罪よ!!


拳を作って、ふるふると怒りに震えだした頃。


ご本人到着。ふぁ〜、と間抜けなあくびをしてやがる模様。


「……あ。来てたんだ。早いな」


「あんたが遅いの!何時だと思ってやがるのよ!?」


「メール、見てない?時間変更伝えたんだけど」


宮原陸に言われて、初めてメールを開く。


あった。あったわよ。確かに、時間変更を伝えてますね。


『寝過ごしたから、11時に変更』


理由がふざけてやがる……!!


怒りで思わずスマホを全力で握ってしまい、メキメキとスマホが悲鳴を上げる。


「ほら、行くよ」


ごめん、の一言もなく、歩き出す宮原陸。


コノヤロウ。


誰か。誰か、私にイケメンの顔をメチャクチャにする権利をください。


見るも耐えない、そんな容姿にすることを許して下さい。


どうか、どうか……!お願いです。


私に、このイケメンを殺らせてください。