恋の練習屋

「ねぇ……美咲。今のって……」


「宮原陸」


恐る恐る聞いてきた知奈に、呆然としたまま答えた。


「うっそ!マジで!?ほんとに残念イケメンじゃん」


「……そうね」


あのハニーフェイスイケメンが大学一の変人と呼ばれているのには、ある理由があった。


「あれで、人の恋愛にしか興味ないとか……最早、詐欺だよね」


知奈が感慨深げにつぶやいた言葉。


そう。あのハニーフェイスイケメンは、人の恋愛にしか興味がない。


あの容姿で泣かせた女は星の数。いや、もう銀河系の星の数じゃ足りないんじゃないか?


断る時の決まり文句は「ごめん。俺、自分の恋愛とか興味ないんだよね」。


挙げ句の果てに『恋の練習台屋』なんてふざけたこともやり始める始末。


そんな奴が、私に目を付けた。


そんなに私の恋愛を笑いたいのか。


「……上等じゃない」


私の変なプライドに火がついた。


大学一の変人を、落としてやる。