螺旋上の赤

そこで我に帰った。

(この髪型……どうしよう……。)

花奈はもとより、有にでも会ったら何を言われるか分からない。
結局、良い言い訳は何も思い浮かばなかった。

(よし……ここは防御だ。防御を選択する。)

リュックから白いニット帽を取り出した私。

いくら私だって、こうなるのが分かっていなかった訳じゃない。
朝、リュックに入れてきたのだよ。
備えあれば憂い無しって言いますし……無しか?

(これでよし、と……。)

一先ずの対応として深々とニット帽を被った私は自転車に乗り込む。
素直だった頃の私は数歩で力尽きたみたい。
もう自分を隠してる。

(素直に生きていくっていうのは難しいのよ。
 うん。仕方ないよね。)

ね。