螺旋上の赤

「どんな髪型になさいますか?」

感じの良い同い年くらいの美容師さんが、にこやかに優しく話しかけてくる。

そんな店員さんとは対象的に、私は消え入りそうな声で言った。

「ボブで……お願いします……。」

言ってしまった。
もう後戻りは出来ない。

「ボブですね?」

(そうだって……何回も言わせないで……。)

中学生くらいから、ずっと髪の毛は長くしてた。
ボブなんて久しぶりだ。

ストレートで胸元まであった髪の毛が、美容師さんの見事な手際でどんどん短くなっていっている。
切られている様子は殆ど見てない。

だって、恥ずかしいじゃない。