螺旋上の赤

(ちょ……っ!)

急な事に動揺した私はジタバタしまくった。

(ほんと……やめなさい……よ!!)

身体も手足も散々動かしたけど、うまく力が入らない。
文句を言おうと顔だけで振り返った。

(——あ。)

至近距離で目が合った。

目線を合わせたまま、どの位経ったんだろう。
おそらく1、2秒。

そんな短い時間に今までの事が走馬灯の様に浮んだ気がした。

だって……


キスされた。
一瞬だった。


その後、すぐに私は釈放された。
神山 有とかいう自称哲学科1年は、
そのまま何事もなかったかの様に歩いて行ってしまった。