螺旋上の赤

「あ、あんた……こんなとこで何やってるのよ!」

頬を叩かれたヤツが月明かりに照らされてうつむいているのが分かる。

「——ってぇ。効いたぜ……。
 何やってるってもな……まぁ、探し物だよ。」

こんな時に冗談言うな。
普通ならこんなトコで探すものなんかある訳ない。
——私は探し物、あるけど。

「はぁ……あんたがこんなトコで何探してるのか知らないけど、私も探し物。
 それは大事な大事な探し物があるの。邪魔だけはしないでよね。」

距離を取りながら、橋の真下まで移動していく。
こいつと話してる時間的余裕なんかないし。

ガサガサ……

想像以上に水が冷たい。
まだ川に入ってから数分と経っていないのに、もう心が挫けそう。