螺旋上の赤

「はぁ……っ。」

すっかり冷たくなった手を吐息で温める。

耳も痛くてたまらない。

アレックスも無くしちゃったし、今日はもう踏んだり蹴ったりだ。
本当にツイてない。

そろそろ転んだ坂に着く。

(多分もう無いだろうなぁ。)

キコキコ……

(頂上付近だったからそろそろだと思うんだけど……。)

自転車を止めて、坂の頂上付近を見回す。

街灯が点っているお蔭で、地面は良く見える。

歩道には見当たらない。
車道も見たがそれらしきものは見つからなかった。

しゃがんでみたりして探してみたものの、暗くなった黄昏時にキーホルダー1つを探すのは至難の業だ。