螺旋上の赤

「あいつが短くしろって言ってきたのよね〜。
 ショートじゃないと付き合う気ないわ。だってさ。
 仕方なく切ったけど全然似合わないし……マジ最悪。
 しかもさぁ、仕草とか言葉使いとかにも凄い五月蠅いんだよ。
 あいつカッコいいから、嫌々ながらもとりあえず言う事聞いてたんだけどさ〜。
 そしたら、こないだ一方的に『やっぱりお前じゃない、別れる。』だってさ。」

(うーん、それは流石に酷いな……って、私もソイツのターゲット疑いがあるんだった。)

「私から告白したけどさ〜……流石に仕草とかまで指図されるはキツくない?」

(お可愛そうに……。
 私は絶対にそうはならない!坂で少しドキドキしただけ……。
 キスで少しドキドキしただけ……急にキスされたんだから仕方ない。
 ——ってあれ?ドキドキしかしてない?)

「別れ話の時に食い下がったのね。でも一言。
 『お前じゃなかった。』だってさ!意味分からなくない?」

(どんな俺様なんだ……様は飽きたから捨てたんだろ?
 それで、次は私かよ。酷いフリ方した後にすぐ私にあんなことして……。
 そんなヤツに唇を奪われちゃうなんて……。)

 色んな思いが心を巡り、胸が苦しくなった。